キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第144回:映画『RRR』感想と考察

今回は現在公開中の映画『RRR』(アールアールアール)を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

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↑雷神風神みたいな主張が凄いポスター画像

イントロダクション

英国植民地時代のインドを舞台に2人の男の友情と大義を描いたインド産アクション超大作。タイトルの「RRR」は、「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」の頭文字に由来するんだそう。怒りと戦いの匂いがプンプンです。

時は大英帝国に植民地支配をされたインド。総督夫人の勝手な都合でさらわれた幼い妹を救出するため立ち上がったビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr)と、ある使命のために英国政府の警察官となったラーマ(ラーム・チャラン)。2人はお互いの素性も知らずに出会いを果し、唯一無二の“兄弟”となる。そんな二人に絆か使命を獲るかの決断が迫られる事となる。

監督はS・S・ラ―ジャマウリ。日本でもかなり話題となっていた「バーフバリ」シリーズの監督です。私「バーフバリ」シリーズは未見なんですよね。定期的に再上映がやっていたりしますし人気があるのは知ってたんですけど。こりゃ観ないといけませんな。

上記シリーズも観ていないレベルのインド映画には疎い人間なので、存じている役者は居ないなと思っていたら、なんと総督役はレイ・スティーブンソンじゃありませんか。2008年公開の『パニッシャー:ウォー・ゾーン』でパニッシャーことフランク・キャッスルを演じた方。あの容赦なき様はアメコミ映画でも屈指。私、地味にDVD持ってるんすよ。今作ではパニッシャーもびっくりなアクロバット狙撃を披露しています。

エンジン全開!

まず本作のアクションシーン全てが驚異的です。虎とのランニングチェイス、一対多のゲリラ戦、高速ダンスバトル、肩車ファイト、“軍師”による弓矢無双など一体どこからそんなアイディアが思いつくのか理解の範疇を超えた情報多量なアクションパレード。ありえない?物理の法則が云々?そんなもん知らん!見どころが多くてお腹いっぱいです。とくに好きだったのは続き前半の大詰め、パーティーにカチコミからのタイマンファイトです。まずどうぶつ奇想天外!な殴り込みのかけ方に思わず笑ってしまいました。そんなバカなwワイルド過ぎる。 そして水と炎と拳が入り乱れるタイマンファイトでボルテージは最高潮に。遠近を駆使した攻撃の数々とメリハリのある動きが大迫力&観やすい。これは今年のベストアクションシーン当選候補ですわ。

こうしたアクション以上にボリューミーなのがビームとラーマによる最高純度のブロマンス。運命的な出会い、紡がれる絆、葛藤、そして共闘。ありきたりな流れですが二人の真っ直ぐ過ぎる視線も相まってとにかく濃厚。それに言葉に頼らずキマった画での魅せ方が上手い。バイクと馬での並走シーンがマジで格好良かったです。境遇は違うけど突き進む方向は同じみたいなものを感じました。こんなに純粋の高いブロマンスを映画館で観るのは『フォードvsフェラーリ』以来じゃないかな?(今年は『アンビュランス』があったけど)筋肉と筋肉がぶつかり合うような泥臭い友情ってアツいっすね。装填!狙え!撃て!

まとめ

以上が私の見解です。

ここまで褒めちぎってきましたが引っ掛かる要素もありました。

敵として描かれる大英帝国は威張っているだけのヤクザな集団と化していて明確なプロパガンダ色を強く感じます。インドともイギリスとも縁のない人間からするとセポイの乱や非暴力不服従などを歴史の授業でやったなぐらいで何とも言えないのが本音ですが。

その他主演2人以外のキャラは表面的に感じたり、大作映画でやりがちな薄味恋愛描写がありましたが、そんな事は気にしなくなる圧倒的熱量。映画館で観ないと面白さが半減してしまうかもしれませんし「映画」だからこそ出来る力技だと思いました。

という事この辺でお開きです。ありがとうございました。