今回は、現在公開中の映画『ガンズ・アキンボ』について語りたいと思います。毎度のことながら、ネタバレ注意です。
イントロダクション
両手に拳銃を括り付けられ強制的に殺人ゲームに参加することになった男の頑張りを描いたガンアクション。
主演は丸眼鏡界の大スター ハリーポッターで有名なダニエル・ラドクリフ。最近じゃ『スイスアーミーナイフ』(2016年公開)では死体役でしたし、ジャングルで遭難したり(調べたら2017年公開『ジャングル/ギンズバーグ19日間の軌跡』という映画でした)踏んだり蹴ったりなクセの強い役ばかりこなしてます。いやーやっぱり名前を言っちゃいけない超ヤバい奴とガキの頃から死闘を繰り広げただけあります。ガッツが違います。そんな彼が杖じゃなくて銃という物理攻撃の道具を握ってるはちょっと新鮮です。ちなみに握っている拳銃はM1911系統の銃ですね。主流のグロックやベレッタ辺りではない比較的クラシカルなチョイス、いいっすよ。
バカっぽいストーリーだけどアツい
ではまずストーリーをもう少し深く見ていきたいと思います。ラドクリフ演じる主人公はゲーム会社に勤めるサラリーマン。仕事に納得してないご様子だし彼女さんとも別れたばっかり。そんな鬱憤を晴らす為の彼の趣味がいわゆるクソリプ。酒を煽りながら手当たり次第に暴言限りを尽くす姿はイマドキのクソ野郎です。そんな彼がクソリプで喧嘩を売ったのが、ネット上で生中継される殺人ゲーム「スキズム」。“こんなゲーム見て喜んでのクソじゃね”的な書き込みをしていると案の定住所を特性され、マッドマックスに出できそうな連中に襲われてしまいます。そんなヤバそうなものに喧嘩売るのがバカじゃんって話ですが、目を覚ますと両手に拳銃を固定された状態に。銃を撃つ以外なんも出来ねーよと絶望していると、対戦相手である女がマシンガン片手にカチ込んでくるのです。
ここまでのストーリーだけで、脳ミソのネジがぶっ飛んだバカっぽい作品であることが分かるかと思います。まぁそこが良いとこなんですが、ただのバカじゃ終わらないのもポイントです。私にはネット上でイキってたポンコツ野郎が真の漢になる物語に見えました。強制的に戦うことになった男が生き残るため、そして正義ために一度も撃ったことのない銃を両手にならず者たちに挑む。負け犬だったと思ってた奴が血反吐を吐きながら立ち上がる系統の映画って個人的には問答無用で胸アツです。
ニックス最高
で、主人公の対戦相手となるニックス(サマラ・ウィーヴィング)というガチ勢ヒロインがマジで最高です。この手のタイプのキャラが好きな人とっては、今年の主演女優賞有力候補いったところでしょう。
まずルックスが抜群にイカす。随所のタトゥーや不適な笑みを浮かべた時にチラッと見える銀の犬歯など、クレイジーなビジュアルが冴えわたっています。とくに革ジャン&グラサンで爆笑しながらガトリングをブッ放す姿は、もはや神々しく見えました。
そしてアクションシーンも素晴らしい。ガトリングガンを始めヴェクターのサブマシンガンやドラムマガジンのマイクロウジなどの銃を乱射。キレのある格闘スキルも披露してくれます。格闘+射撃の戦闘スタイルやメインで使用する銃がグロック34であるあたり『ジョン・ウィック』、それも2作目へのオマージュなのかなと思いました。一つ心残りなのが、LEGOブロックで作ったお手製ナックル。センスが良いだけあって、登場が序盤だけじゃ勿体ないでしょ。もうちょっと見たかった。
ついでに、ちょっぴりほろっとさせるバックグランドをお持ちなのも良き。あまり言及はしませんが、殺人ゲームに参加せざるおえない悲しい事情とそれに関連したトラウマを持っています。また時々見せる表情から、実は純粋な心を持った人物であることが伺い知れるキャラに仕上がってると思えました。
まとめ
以上が私の見解です。
今作を観ていて思ったのが、ゲーム好きは間違いなく楽しめるだろうなという事です。特にFPSですよね。私自身はほとんどゲームをやらないので何となくのイメージですが、クルクル回るカメラワークだったり、主人公が射撃するたびに残弾がデカデカと表示されたりとゲーム要素を感じさせる演出が観られます。ハリポタミーツFPSはスカッとするには丁度良い作品だと思います。
それではこの辺でお開きです。ありがとうございました。