キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第44回:2020年を映画関連のニュースで振り返る回

いやー寒くなってきた。って感じたらもう12月でした。クリスマスで街全体がキラキラし始めると2020年も終了です。

思えば一年中新型コロナウイルスばっかりでまぁーしんどかった(現在進行形ですが)。もうダイヤモンドプリンセス号をなんやかんや言っていたのが太古の昔のようですね。今じゃマスクで顔を覆って歩く(アベノマスクは人気なかったけどシャープのマスクは人気だったなぁー)のが普通となり、他人の、特に異性の口元見ちゃうと謎の緊張感を感じざる負えない時代となってしまいました。

そんな中、安部マリオのライフがゼロになったと思ったら、いつの間にか令和おじさんが国のトップとなり、アメリカ大統領選の100万分の1程度しか盛り上がらなった都知事では、数々の流行語(3密が大賞だし)を生み出した女帝が再選を遂げました。それ以外だと東京中央銀行とか賭けマージャンドルチェ&ガッバーナやら多目的トイレなんかで盛り上がった2020年。

映画界隈でも様々な話題がありました。細かいニュース含めると信じられない情報量となるので、個人的にデカかったと思う話題を偏った独自見解まみれで振り返ってみようと思います。

 

世間的には…

映画関連のニュースで最も世間的な盛り上がりを見せたのは、言うまでもないでしょう。「鬼退治」アニメ映画、鬼滅の刃の大ヒットです。まぁ「鬼退治」とか浅知恵ひけらかしてる時点でお分かりでしょうが、わたくし観ておりません。元々アニメ映画はそんなに観に行かないってのもありますし、TVシリーズと漫画もノータッチなので当然なんですけどね。

しかしビックリするぐらいの盛り上がりを見せています。国内の歴代興行収入は『タイタニック』を超えて2位だとか。YouTubeや動画配信サイトがブイブイ言ってる時代でもここまで売れるんですね。まぁ色々と特殊な要因はあると思いますし、未だに『タイタニック』が2位だったことも不思議に感じたのですが。そんな考えうる要因をつらつら書き並べるのも良いですけど、私が気になってるのは別にあります。それは、今作が「日本映画業界の救世主」的な呼ばれ方をしていることです。確かに一理ありますが、私は懐疑的なんです。だって本作を上映してない映画館って全くこの恩恵にあやかれてないですよね、たぶん。相乗効果で他作品の集客が伸びてるなんて話は聞かないし、そんなことが起きるとは考えずらいです。だから結局、映画業界全体ではなく映画業界の一部が潤っているという状態なんだと思います。

まぁファンからしてみりゃどうでも良い話でしょうから、私は「全集中」で他作品に挑もうと思ってます。

 

コロナウイルスと「映画」

はい、世間的な話題は置いといて、私個人がデカいと思ったニュースの話に入りましょう。

まずはこの話題に触れずに進むわけにはいきませんね。どの業界にも深刻なダメージを与え続けている新型コロナウイルス。映画業界にとっても苦難の年でした。

トム・ハンクスがコロナ陽性という衝撃に始まり、多くのハリウッド俳優が感染を発表。ちゃっかりハーヴェイ・ワインスタインも感染してましたねw。無論、日本の俳優界でも感染者がたくさん出たました。どの方も無症状が多かった?ようですが。

そんな「だれだれが感染した」ってニュースよりも私たちパンピー映画好きにとって直接的ダメージとなったのは、映画館の営業自粛と相次ぐ劇場公開延期でしょう。4~5月の約2ヶ月の間、映画館が閉鎖となりましたが、まさか自分が生きているうちに映画館が閉鎖となるような不遇の時代が来るとは思ってもみませんでした。私にとって映画館が日常の一部。日常を失い、途方に暮れたあの2ヶ月を生涯忘れることはでしょう。

そして閉鎖に伴い数多の作品が公開延期を発表しました。海外だと未だに再開していない映画館もあるぐらいですから、当然の如くハリウッド映画を中心とした海外作品の公開延期が相次ぎ、洋画好きにとってはひもじい状況が今尚強いられています。私なんかは例年と比べて国内の作品を観る機会が多くなりました。このことに関しては前向きに捉えられますが、やっぱり熱気ようなものが足りない一年になったのは間違いないです。

そんな中苦境に立たされた映画館、特にミニシアターを支援しようとクラウドファンディングや署名活動が展開されたのは僅かながら明るいニュースでした。クラウドファンディングに関しては、あっという間に目標金額の1億を突破し、3億円以上集まったようです。映画好きの底力をみたような気がします。いやー世の中、捨てたもんじゃないですね。

 

20世紀フォックスのロゴが消滅

コロナでごちゃごちゃになる前に遡ると一時代の終焉とも取れる個人的には悲しい事が今年の始めのほうにありました。それは、ディズニーの20世紀フォックス買収が成立したことにより、映画館であのロゴが流れてなくなってしまったことです。

この悲しみは全て下の記事にぶつけているので、是非ご覧あれ。

captaincinema.hatenablog.com 

『パラサイト』の快挙

コロナ前のニュースをもういっちょ。

Netfilxドラマ『愛の不時着』のブームやBTSグラミー賞ノミネートなど、とにかく韓国産エンタメがアツい昨今。この破竹の勢いは映画界でも証明されました。

それが今年の米国アカデミー賞。様々な作品がひしめく中、作品賞を受賞したのが韓国映画『パラサイト/半地下の家族』でした。アカデミー賞ってアメリカ国内の映画の祭典であって国際映画祭ではありません。当然アメリカ映画が作品賞を取るとばかり思っていたら、まさかの結果となりました。私、このニュースを見た時椅子から跳ね上がったことを記憶しています。ホントにビックリした。個人的には受賞そのものよりも、この受賞のおかげで近所のTSUTAYA韓国映画のコーナーが出来たことが一番嬉しかった。おかげで気になってた作品を幾つか観ることが出来ました。

また、受賞当初は“日本映画も受賞する日が来る?”みたいな謎に対抗心を燃やした記事もいくらか目に付きましたね。日本にも良い作品があるのは分かってるんですけど、その良作がしっかりと世界展開してるかどうかが肝なんだと思います。要はマーケティング。日本人の外交下手ってやつが日本の映画界にも起きているのかなぁ。

 

マッドマックス関連

先ほど触れた『愛の不時着』にはオマージュシーン。『パラサイト/半地下の家族』ではそのカメラワークとアクションで背景を語るスタイルの影響。そして来年の正月に公開の韓国ゾンビ映画『新感染半島/ファイナルステージ』の予告からも影響が伺えざるおえない傑作に動きがありました。傑作とは2015年公開の『マッド・マックス/怒りのデスロード』です。

まず話題として大きいのは、念願の地上波初放送でしょう。5年という長すぎる歳月を経てやっと実現しました。まぁーバンバンカットされてたんで、物足りなさは否めませんでしたが、これで多くの日本国民が奇抜で独創的な世界観と相まみえることになったので目標クリアです。(視聴率どれぐらいだったんだろうか)

私の場合は、DVDを所有し映画館でも何十回と観ていながら日本語吹き替えで観るのは初めの経験となりました。感想としては案外悪くなかったですね。イモ―タン・ジョーの吹き替えがガラガラ声過ぎてちょっと聞こえずらかったですが、元々セリフの少ない映画なんで違和感なく楽しめました。

今作にはブラック&クローム版がありまして、そのバージョンならレーティングが下がるという謎映画なので、今度はノーカットで流して欲しいですねぇー。そうすれば布教完了なので。

そしてスピンオフの企画が本格的に始動したのも今年でした。

eiga.com

現在Netfilxで配信中の『クイーンズ・ギャンビット』でブレイク中のアニヤ・テイラー=ジョイが主演を務め、イケメンマッチョの代表格としての地位を築き上げているクリス・ヘムズワースの出演も決まっています。出来ればシャーリーズ・セロン演じるフュリオサを観たいところですが、クレイジーで最高な作品が出来るのは間違いないので心待ちにしています。いやーこれ観るまでは誠実且つ健康的な日々を過ごさなくては。

そして、嬉しいニュースばかりではなく非常に悲しいニュースもありました。

natalie.mu

73歳は早いっす(泣)。スピンオフ作品にも特別出演的な感じで出るんじゃないかと思っていたのに…。

ともあれ、イモータンジョーというカリスマ性がほとばしる映画史に残る最高の悪役を見せてくれたこと。そして記念すべき1作目では、トーカッターという荒々しい暴走族のドンを演じた俳優として讃えるべき方です。

きっと今頃ヴァルハラで神格化されていることでしょう。ヒュー・キース=バーンは永遠です。

 

雑誌『映画秘宝』の休刊とスピード復活

そんな『マッド・マックス/怒りのデスロード』への愛があふれる映画雑誌映画秘宝のニュースも忘れてはいけません。

book.asahi.com

他の雑誌であれば新作映画を表紙に載せるが普通なのに、復活号の表紙が過去に公開された作品、そして「マッドマックス」という決して万人受けはしないであろう作品をトップにするなんて唯一無二の雑誌です。この雑誌読んでると、ネットじゃ手に入らないような情報もあるので大変勉強になります。また褒めてるんだか、貶してんだか分からないけど、映画への愛はひしひしと伝わってくる絶妙な文章表現もクセになります。

こんなに褒めちぎってますが…正直に言います。休刊のニュースが入るまでは、ぶっちゃけ本屋で立ち読みするだけで購入はしていませんでした。大事なものはなくなってから気づくって言いますからね。せっかくスピード復活を遂げたことですし、立ち読みで済ますというケチなことせず、これからは買います!

 

『テネット』公開によるノーラン祭り

再出発を果たした映画秘宝さん。この映画監督のことはあんまり好きじゃないのかなぁーっと思っていたら10月号で大きく取り上げていました。その監督とはクリストファー・ノーラン。コロナ渦にもかかわらず超強気の劇場公開に踏み切った巻き戻しスパイ映画『テネット』。その公開を記念して多くのノーラン作品が映画館でリバイバル上映されました。

勝手な思い込みだったら申し訳ないですが、映画好きの界隈じゃ『鬼滅の刃』よりも盛り上がったのではないでしょうか。何しろ『ダークナイト』や『インターステラー』、『プレステージ』などこんなに短期間で同じ監督の作品が映画館に集まるなんて異例中の異例。これはコロナの影響で公開作品が減ったことも要因の一つなので、この点に関してだけはコロナに感謝ですかね。いや、医療従事者や亡くなった人に失礼だわ、大変申し訳ない。

で、肝心の『テネット』もかなりの盛り上がりを見せていた気がしてます。途中から来場者特典配ってましたし。またTwitterを覗いていると20回以上観に行っているという強者も散見。私は2回行きましたしノーランファンを自負してはいますが、上には上が沢山いました。その行動力と気力、少し分けて欲しいよ、マジで。

↓『テネット』について私の感想はこちら

captaincinema.hatenablog.com

 

映画祭に変化の兆候

『テネット』がこれから本格化する賞レースにどう絡んでくるか気になる人も多いかもしれません。その映画祭のルールに変化が見られたのも今年のニュースでしょう。

まずはベルリン国際映画祭。男女別最優秀俳優賞が来年から撤廃され、代わりに最優秀主演賞と最優秀助演賞が設けられるそうです。性別で区別をしないのが目的なんだそうです。より競争率が激しくなり、レベルがあがりそうな気がします。

また米国アカデミー賞も新たな基準が2024年からスタートするようです。

www.huffingtonpost.jp

これで見ると、めちゃめちゃ条件あるなって素人からすると思えますね。「白すぎるオスカー」なんて揶揄されることに対する策なのでしょう。無理やりこの条件をクリアしようとする作品が出ないことを願ってやみません。

 

配信サービスの在り方とは?

最後は個人的ビックニュース。それはNetfilxに加入したことです。

実はですね。私は基本的に映画は映画館で観る娯楽であるというスタンスなので、動画配信サービスに関してはやや否定的な立場ではあるんです。そんな私がなぜNetfilxに加入したのか。それはコロナのせいで公開される作品が減った(でも映画館に行ってる回数はそんなに変わってないけど)こともありますが、私自身の考え方に少し変化があったことが大きな要因でした。

Netfilxが日本でサービスをスタートした(確か2015年?)当初、映画館好きの私は敵対心丸出しでした。だって独自で製作した映画は劇場で一切流さないと言ってましたから。しかし年を重ねるごとに軟化していきました。日本では2019年の初めに『ROMA/ローマ』の劇場公開を行ってからでしょうか。それ以降、一部ではありますが劇場公開をする作品が幾つか登場し始めます。今年も『シカゴ7裁判』や『ヒルビリー・エレジー/郷愁の哀歌』、『MANK/マンク』などが劇場で公開をされました。何があったかは知りませんが、方針を変えたということでしょう。

またこの記事を読んだことも、考え方の変わるきっかけでした。

www.businessinsider.jp

近年、劇場公開する作品の画一化傾向が見られ始めたということを言っているんだと思います。勿論MarvelやSWのような作品も好きです、寧ろ大好きです。しかし、どれもこれも何らかの人気作の続編やリメイク、さらにはゲームや漫画の実写化が映画館で目立つのは否めず、オリジナルコンテンツが日の目を見ないことが頷けます。大手映画会社が「売れそうなコンテンツ」ばかりを製作し、ネタが似たり寄ったりする中、Netfilxの手掛けているジャンルの豊富さは、今の映画製作関係の企業じゃどこにも負けないぐらいのレベルかと思います。そりゃ映画が好きなら”映画館!“と意地張ってても仕方ないので、観るしかないですよ。

そんな映画館との関係作りや画一化させないジャンルの多様性とは逆行した方向へと向かっているのが「Disney+」。日本でサービスがスタートしたのは今年に入ってからですよね。元々劇場公開する予定だった作品を配信限定にしたり、独自で所有しているコンテンツの世界観を広げることばっかりで、新たなコンテンツを生み出しているとはあまり感じられません。新たなコンテンツを生み出すプラットフォームとして20世紀FOXを買収したのかもしれないと思ってしまうぐらいです。まぁ画一化するコンテンツに関してはもう良いので、はよ延期してる作品の劇場公開決めてくれ!ワーナーを見習えー!

あっちなみにNetfilxに加入し始めて観たのは『呪怨/呪いの家』ってドラマでした。面白過ぎてイッキ見しましたね。映画はクリヘム無双が楽しめる『タイラー・レイク/命の奪還』でした。続編あるらしいので期待してまーす。

 

最後に

他にも黒沢清監督がベネツィア国際映画祭で銀熊賞を獲得したり、チャドウィック・ボーズマンとの突然の別れも大きなニュースでした。ホントに色々あった。

色々あるのは2021年も同様でしょう。東京オリンピックはさておき(ホントに出来るのかなぁー)ダニエル・クレイグ最後のジェームズボンド『007/ノータイムトゥダイ』やトム・クルーズがひたすら格好良いであろう『トップガン』の続編。『ブラックウィドウ』に『ウエストサイド物語』&『DUNE/砂の惑星』のリメイクなど怒涛の如くビックタイトルがなだれ込んでくる予定となっています。

上手く公開してくれれば、えげつない程アツい年になりそうなので「コロナくたばれ!」と願いながら年を越そうと思います。あっその前に今年観に行った映画の総括をせねば!

はい、ということでこの辺でお開きです。長くなりました。ありがとうございました。